膝の靭帯損傷でお悩みの方へ【神楽坂整体たいむ】東京
スポーツにおいて、膝の靭帯損傷は選手生命にかかわる重大なケガです。
特に、前十字靭帯の損傷はパフォーマンスに大きな不利益となることから、手術の適応となることが多いケガとなります。
本ページでは、主にこの前十字靭帯損傷について、当院の考えを記載しています。
一般的な整形外科医の先生方とは見解が異なる部分もありますが、当院の考え方は解剖学的にも、整形外科学的にも教科書に載っているレベルで証明されていることです。
予備知識として:一般的な前十字靭帯損傷
当院のHPを訪れる多くの方は、前十字靭帯損傷に対してある程度の知識をお持ちだと思います。
しかし、中にはご存知ない方もいらっしゃると思うので、まずは一般的な前十字靭帯損傷を紹介しているサイトを紹介いたします。
参考にしてみてください。
一般的な前十字靭帯損傷の解説はこちら→【前十字靭帯損傷】
※ 他医療機関のサイトとなります
整形外科治療の3つの問題点【前十字靭帯損傷】
前項までで、皆さん一般的な前十字靭帯損傷の知識は得たという前提で話を進めます。
そして、ここでは前十字靭帯損傷に対する整形外科治療の問題点を3つにしぼって紹介します。
① とにかく直ぐに手術になること
基本的に、整形外科治療では前十字靭帯損傷はほぼ手術となります。
たしかに、完全断裂の場合は手術しなくてはどうにもなりません。
しかし、部分断裂で済んでいる場合、人によっては手術の必要がないケースもあります。
それを選別せずに「前十字靭帯損傷=手術」となっている風潮は、正直、よくありません。
② 検査がズサンなこと
昨今の整形外科では画像診断の性能が良いため、徒手検査が疎かになりがちです。
たしかに、画像診断で明らかな完全断裂が認められれば、徒手検査の必要はないかもしれません。
しかし、即断できない微妙な場合は、損傷の程度をはかる意味で徒手検査はとても重要です。
なぜなら、即断できない前十字靭帯損傷の中には、手術の必要がないものが含まれているからです。
③ 基礎医学が活かされていないこと
膝関節の場合、その安定性は8割方靭帯組織に依存しています。
そのため、徒手検査で少しでも動揺性(不安定性)が確認されると「靭帯損傷あり」と判断されるのです。
しかし、その動揺性は、本当に靭帯損傷によるものなのでしょうか?
前十字靭帯損傷の疑いがあるようなケースでは、ほぼ100%関節水腫が認められます。
関節水腫とは、要するに膝に水がたまった状態です。
このような時、膝関節を包む関節包は水風船のように膨らみ、正常な状態よりも大きくなってます。
なお、正常な膝関節であれば、関節包は膝に吸い付くように位置しています。
このことから、実は関節包自体にも膝関節の安定性を担う役割があるのです。
その寄与率は、およそ20%。
つまり、膝関節に水がたまった状態は、この20%が機能していない状態ということです。
そのため、膝関節に水がたまった状態での動揺性は靭帯損傷のものとは言い切れないはずなのです。
このことは、整形外科学の教科書にも載っている常識的な基礎医学の知識です。
にもかかわらず、臨床ではそれが活かされていないのは、本当に残念でなりません。
前十字靭帯損傷を正確に把握するには
前十字靭帯損傷では、膝に水がたまっているせいで、20%分の不安定性が出てしまっています。
それでは、どうすれば前十字靭帯の損傷の程度を正確に把握することができるのでしょうか?
その答えはシンプルです。
水を抜いてしまえば良いのです。
整形外科であれば簡単ですね。
水を注射器で直接抜き取ってしまえばいいです。
そして、水を抜く前と抜いた後で、動揺性を比較します。
それで安定性が増していれば、手術の必要はないかもしれません。
では当院ではどうするか?
簡単です。
当院では、私が開発し、講習会でも指導している【膝の水を減らす手技療法】で水を減らします。
そして、同様に手技の前後で動揺性を比較するのです。
この手技自体は3分程度で終わり、患部への負担もほぼないため、パンパンに腫れていても施術・判断することができます。
こうして、手術の必要がない可能性がある場合、当院での治療を続けることで復帰が早くなる見込みが立ちます。
その場合は、どのように治療を進めていくか、よく相談して納得できる方法を探しましょう。
ただし、残念ながら明らかな動揺性が確認された場合は、手術することをお勧めします。
膝の水を減らす手技療法に興味のある方はこちら →【膝の水を減らす手技療法】
最後に【前十字靭帯損傷】
このように、膝の前十字靭帯損傷は損傷の程度において誤診が多いのが現状です。
大きな声では言えませんが、とある競技の日本代表チーム帯同医師ですら間違えていました。
そのため、おそらくは多くの方が本来必要のなかった手術を受けている可能性があります。
前十字靭帯損傷がパフォーマンスにとって大きなマイナス要素となるのはわかります。
ですが、手術をやらずに済むものはやらない方が復帰も早いです。
この点については、整形外科の先生方にはもっとしっかりしていただきたいです。
と、このような現状です。
そのため、もしも「自分のケガはどうなのだろう?」と思う方がいたら、一度ご来院ください。
手術を決断する前に当院でも検査を受けてみて、それでも手術が必要なら前向きに手術を。
手術の必要がなさそうなら、別の治療法を一緒に探していきましょう。
膝のその他の靭帯損傷について【神楽坂整体たいむ】東京
ここまでは最も問題となる前十字靭帯損傷について話してきました。
しかし、膝の靭帯損傷は前十字靭帯損傷だけではありません。
他にも、後十字靭帯損傷・内側側副靭帯損傷・外側側副靭帯損傷があります。
特に、内側側副靭帯の損傷は前十字靭帯損傷に次いで予後が悪いケガとして有名です。
しかし、内側側副靭帯の損傷は前十字靭帯損傷とは逆に、手術の必要があっても放置されていることが多いから不思議です。
なお、これらの靭帯損傷も、検査自体の考え方は前十字靭帯損傷と同じです。
水を減らす前に検査を行い、水を減らした後に再検査を行います。
それで、動揺性に差があるかをチェックし、動揺性が減っていれば保存療法。
動揺性に変化がなければ、前向きに手術を検討します。
ただし、後十字靭帯と外側側副靭帯については、動揺性が残っても日常生活では支障がないことも多いです。
今後、膝にどの程度の負荷をかけるのか、それをよく考えて手術を受けるかどうかは検討していきましょう。
内側側副靭帯については、損傷を放置して動揺性が残ってしまうと問題があります。
サポーターを着用し続けて折り合いをつけられるなら良いですが、そうではないなら手術が必要です。
こちらもよく検討していきましょう。
なお、当院に来られる患者さんで内側側副靭帯に問題を抱える方は、多くが前十字靭帯損傷との併発です。
そして、なぜか手術では前十字靭帯のみを再建して、内側側副靭帯は未再建という方がほとんどなのです。
どうせ手術するなら、内側側副靭帯も一緒に再建してくれればよかったのに…といつも思います。
整形外科の先生には、なぜ併発した靭帯損傷で前十字靭帯しか再建しないのか、その理由を詳しく聞いてみたいものです。
という個人的な愚痴でした。